朝の6時過ぎにきたLINE。
「るるさん、ごめんなさい、今さっきまでススキノで呑んでました」
ちょっと、予想してました。
若いときからこういう人でした。
いや、もっとひどかった。
仕事に遅刻や早退は当たり前
連絡は入れるが欠勤が多く
彼の上司はいつも怒っていました。
でも、不思議なくらい仕事は熱心で一生懸命のがんばり屋で熱い。
どうにも首を切れないし、憎まれないヤツでした。
彼は転職しましたが
転職先でも一生懸命がんばって
年を経て、某アパレルの店長になり、今は全国の店舗を回っています。
あの頃の彼のままでは店長になれるはずもなく、
「ああ、大人になったんだ、変わったんだな」
と、私は思っていました。
今回の朝のLINEで
ぶわーっと10年前の彼の残像が浮かびました。
「本質は、だらしないヤツだったなあ」
本当はここで私が
「今日はキャンセルにして別の日にしようか?」と言うのが友情かもしれません。
「そうか、じゃあ9時の待ち合わせを9時半にしましょう」
とだけ返しました。意地悪かな、と思いましたが。
そこから、既読はつきませんでした。
待ち合わせ場所に来るはずもないが、私は行きました。約束は約束なので。
待ち合わせ時間になっても既読はつきませんでした。
10時半になり、私は帰ることにしました。
まだ既読はつきません。
私からも一切メッセージは入れませんでした。
ある意味、ドタキャンといえど、明朝に連絡をくれたお陰か、不思議とあまり怒りは沸いてこなかったです。
が、約束を一時間過ぎたところで、泣きそうなくらい虚しく悲しい気持ちに襲われました。
どうして明日のために、お酒を自制出来なかったのか
私との一日の約束はそんな程度なのか
家族があって、子供がある私にとって、一日の時間を作ることがどれほど大変なことか
様々なリスクを背負って仕事を休むまでして、あなたの行きたいと言っていた場所に行くはずなのに、どうして、そんなに無神経なのか
私の時間を軽率にされたようで
悲しくて悲しくて仕方なかった。
私が独身の頃は、もしかしたら、電話で捲し立てて、許していたかもしれない。
でも、いま現在の私の状況を考えると
許すことが出来なかった。
相手の立場を全く考えない軽率な彼をどうしても許せなかった。
お昼頃に
「いま、目が覚めました。本当にごめんなさい」とメッセージが来ました。
悲しみをぶつけようか、迷いましたが
もう、私の中では彼は友人じゃなくなった。
だから、既読はしたけど、スルーしました。
「次予定を合わせれる日を決めたいです、連絡をください」
スルーしました。
「本当にごめんなさい。僕の次の休みは○日と○日ですが、都合はどうですか?」
スルーです。
それから、2ヶ月後に
「もうるるさんに会うことはないとは思いますが、転勤することになりました。今でもあのときのことを後悔しています。さようなら」
とメッセージが来ました。
もちろん、スルーです。
改めて
一つの友情が修了したと思いました。
私は一切何も言わずにいたので
もしかしたら、彼は
「ドタキャンくらいで、マジギレして、心の狭いやつ」くらいに思ってるかもしれません。
でも、もう、彼に気持ちを伝えるだけ
バカバカしいと思ったのです。
立場が変われど、大人になれど
本質は変わらない。
その本質が許せないなら
もう友情は成立しないのです。
この年になるといよいよ友達なんて出来なくなるし
これからも、どこかで素敵な友情はあるかしら。