20年ほど前、トータル1年半程だが、川崎のソープで働いていた。
初めて就職した先がクソパワハラ会社で、給料も受け取らず逃げるように辞めてしまったため、一人暮らしをしていた部屋の家賃が払うことが出来ず、即日お金が欲しかったのがキッカケだ。若い頃のキッカケなんて、そんなもん。
当時は小泉政権真っ盛り。低偏差値の短大しか出ていない私は正社員なんて夢のまた夢で、当然のように契約社員もしくはフリーターの選択しか無いと思っていた。周りの友達もほとんどが契約社員だった。
景気は悪くないはずなのに正社員の雇用がない若年層。東京での一人暮らしはなかなか厳しかった。
只、いくらなんでもソープに飛び込むとは、当時の私はぶっ飛んでるなと思う。
入店したのは「大衆店」。「激安店」→「大衆店」→「高級店」のランクがあったから真ん中くらい。女性レベルもはっきり言って、真ん中くらい。その中でもまだ20歳だった私がダントツ若くてビックリした。平均年齢30歳くらいの店だった。
このお姉さま達にはいい人たちだった。待機室でみんなでお菓子食べながらレディコミを読み、雑談をする時間も本当に楽しかった。
入店研修は同じ北国出身の「さくら」ちゃんがマットプレイを教えてくれた。さくらちゃんは年齢40歳くらいの大ベテラン。初めて味わうマットプレイ、これがまたとても気持ちよかったのをよく覚えている。ほんのり豊満で熟したさくらちゃんの、ねっとり絡みつくような素肌と舌触りでローションまみれにされていると、ゾクゾクが止まらなかった。
それ以外のプレイ研修は店長だった。50後半くらいのおじさん。私がお客さんの設定で、そのおじさん店長が女口調になりながら、部屋に入ってからベットインまでの流れを一通り実演してくれた。会話の流れ、お客様の服を脱がす、シャワーを浴びさせて、「壺洗い、たわし洗い、くぐり椅子」などを教わり、バスタブに浸かったあとは「潜望鏡」のやり方を伝授された。今のソープではどこまでやるか分からないが、私はこの昭和チックな「ソープ技」が好きだ。名前がとてもいい。秘技感があっていい。
ここまでは良かったのだが、ベットインすると何故だが店長は突然男になった。今まで女だったはずなのに、ポジションチェンジした。
ソープは本◯行為があるため、その店ではコンドームが必須だったのだが店長はそのまま挿入してきたため「えっ、あれ?あの…」と言ってストップをかけると「ワシはパイプカットしてるから大丈夫なんや」と言ってそのまま行為を続けた。
パイプカットって、実際どうやるんだろう?手術かなあ?とかぼーっと考えながら、行為中の喘ぎ声の出し方まで研修を受けた。途中で「ワシのには真珠が入っとるから気持ちエエやろ?」と、また男になって聞いてきたのだが全く気持ちよくなく、不快感すらあった。確かに中に丸い固いものが2個入っていた。2個ってなんだよ。
研修が終わると、さっそく一本目のお客様が入ったけど、緊張しすぎて全く覚えていない。
こうしてソープの道を歩き始めたが、当時平均5〜10万くらいは日稼ぎがあった。2勤1休+生理休暇3日くらいだからトータル20日前後働いてたと思うんだけど、荒稼ぎですよね。安い店だからそれだけお客様の数も多かったって言うのもある。
今はお店に入店しなくても稼げる方法あるだろうけど(パパ活とか)私は昭和の人間なので、食事やデートに時間をかけて稼ぐよりも、ちゃちゃっとプレイして安定した収入稼ぐ方が楽じゃないか、と思ってしまう。エロ産業にもやはり景気は影響しているのだろうか。
今の風俗嬢は大変そう。写メ日記書いたりTwitterやったり、客にネチネチ口コミ書かれたり。エステに行ったり整形したり。営業努力が必要なのだ。当時の方がお気楽だったなーって思う。
いつの時代でも、どこかが稼げない分、別のどこかでは稼いでいる人がいる。時代のせいにしていてはいつまでたっても文句だらけの貧民なのだ。
と言ってる今の自分は稼げていない。
これは時代のせいではなく、ヤル気のせい。