作業ヘルメッターのおんな道

肉体労働系レディ(淑女)の徒然です。フリーランスで造園土木の作業員をしています。お仕事と酒があればどこでも飛んでいきます。酒飲み。日焼け上等!

職業の性別寛容時代

トラック運転手をよく見ている。

本当に女性が増えた。10台に1人位は女性がいるんじゃないか。

すっごくかっこいい。私は運転に自信がないので、大型トラックをサングラス姿で乗り回している女性を見るとそれだけで後ろをついていきたくなっちゃうくらい憧れている。

先日も11トントラックに乗っている女性がいて、ほんのりデコトラになっていて

「むおー!かっこかわいいぜー!」と見ていたら、すれ違うトラックが次から次へと彼女に挨拶のサインを送っていて、彼女は何度も手を振っていた。

 

多分知り合いではなく、初めてすれ違うような仲だろう。なのに彼女は常に挨拶されていた。もう、アイドルじゃん!!ひゃー、そのなんとも言えない関係性がかっこいいよ。わたしもサイン送りたいよ!!

 

帰ってから興奮気味で母に話しすと

「女の人もトラックに乗らないと食っていけない時代になったのね・・・」

悲観するように呟いた。

 

まて、待て待てまて

どうしてその発想になるんだ。彼女たちは「乗りたくないのに収入のために仕方なく乗っている」とでも言いたいのか?中にはそういう人もいるかも知れないが、私は全くそう思わないぞ。

というか、つまり私がやっている肉体労働のことも母はそう思っているのか?「男社会と言われた業界でも、この業界で仕事がやりたいからやっている女」が娘だぞ。

どっかで私のことを「きつい仕事をしないと稼げない可哀想な娘」と思っているのか。

 

これだから団塊の世代は嫌いだってむしろこちらから差別したい気持ちにすらなった。

 

今のご時世、男社会と言われていた職種の女性進出は目覚ましい。

大きな工事の朝礼に出ても、女性がいない日は無い。どこかの箇所で女性がいる。

溶接・塗装・土木・鉄筋・足場・・・力仕事に限界がある場合はクレーン車やユニックに乗っている女性もいる。

 

古い職人さんの中には「女なんかと仕事できっかよ」という人もいるかも知れない。

でも、現在においてはごく少数だと思う。非常に女性に寛容な業界になった。

女性で建設土木業を選択することは、容易なことではないのは本人たちもわかっているので、とにかく頑張る人が多い。肉体的ハンデはどうしても避けられない分、別の部分で頑張れる能力を持っている人が多い。これは本能的なものだと私は思う。

 

ハンデをチャンスに変えれる。自分なら活躍できるポイントを見極めてそこで能力を発揮する。仕事が出来れば、そこに性別は関係ないと彼女たち自身が証明している。

 

その人達が積み上げてきた実績のおかげで、私達がこの業界に刺さりたいと思ったときに「いっしょにやってみようか」と言ってもらえる現実がある。

「女性は、頑張る人が多いからね」

何度も言われてきた言葉。私じゃない、今まで頑張ってきた人たちがこのイメージを作ってくれた。

 

団塊の世代の話に戻る。(ここからは愚痴)

確かに考えてみれば、その時代に生きた女性はそう思っても仕方ないのかもしれない。

お嫁にいけば安泰。高度成長期に出産をして、子育てと家事に明け暮れ、落ち着いてきた頃にお小遣い稼ぎのパート。自分は男並みに働かなくても、お金に困ることがない。そして何かに付けて「政治が悪い、時代が悪い」とワイドショーと同じ言葉を吐き捨てている。

彼女らの価値観から見れば、私達は「金稼ぎのためにきつい仕事をしないと食っていくことも出来ない可哀想な女性」に見えるんだな、きっと。

 

 

私は今の時代に生きる女で本当に良かったと思っている。

職業選択の自由があり、自分次第でどんなことだってできるのはこの時代に生まれたからだ。夫と子供が私の仕事を尊重してくれるのも、現代ならではだと思う。

専業主婦をやりたい人が専業主婦を出来て、働きに出たい人は好きな仕事で働くことが出来る。離婚することも、再婚することも自由だ。社会は子育てに優しいので、子育てを理由に仕事を諦めることもない。全て女性は自分で選択できる環境にある。

 

こんないい時代、本当にありがたや、と私はいつも思っている。