作業ヘルメッターのおんな道

肉体労働系レディ(淑女)の徒然です。フリーランスで造園土木の作業員をしています。お仕事と酒があればどこでも飛んでいきます。酒飲み。日焼け上等!

読書レビュー「一気に読める戦争の昭和史」

読みました。

なかなかの分厚い文庫本なので時間がかかってしまったが、読破。第二次世界大戦の本は、著者によって見解が様々なのであまり角度をつけないように、左右どちらとも言えるものをなるべく読むようにしているが、この本は中でも非常にわかりやすく、具体的な時系列と関わった人物とそれぞれの失敗と成功がよくわかり、つまり途中から読んでて辛くなってくる。

戦況が明らかに傾いてきた辺りから辛くて仕方ないのに、むしろどんどん読むスピードが上がっていき、後半はものすごく速く読んだ。タイトル通り「一気に読める」ものだった。

途中で付箋を貼りたくなるような箇所がたくさんあったが、本に付箋を貼るのは嫌いなのでやらない。だからこそ、読破後、もう一度初めから読んでみようとすら思えた。現代の日本人のアイデンティティと照らし合わせながら読める一冊と言う感じ。最後の締めの文は「玉音放送」の全文であったが、それ以上でもそれ以下でもないというような終わり方も良かった。

いくら読んでも、戦争はしたくないけど、致し方なかったという答えになる。戦況は致し方なかったとは言いたくないが、戦争自体は致し方なかったとしか言いようがないと思った。避けていたら、今の日本は無かったと思うし、戦勝しても今の日本は無かったと思う。戦った当時の軍人の魂が安らかに眠る日本であってほしい。

なにより国際情勢にあまりに鈍い当時の参謀と、したたかで狡猾な周辺国や列強国には「歯が立たない」と思った。戦勝していたとしても、日本人には国際情勢において圧倒的に疎いことが影響してもしかしたらもっと悲惨な運命を辿っていたかもしれないと思う。思わずにはいられなかった。

もう一度読み返す前に、参考文献となっていた本を読み漁りたいな、と素直に思った。ひとつひとつの戦いをじっくり知りたくなる。なぜ、を問うても歴史は戻せないから。