これは感化されたなー…目頭が熱くなる本。
門田隆将さん、やはり文章がうまい。引き込まれる。読みやすい。のは、当然として。
かなり胸に響いた作品。作品というより偉人伝ですが、こんな人が実在したのか…という驚きを隠せない。現代において、日本人はおろか世界にもこのような素晴らしい人がどれほどいるだろうか。
第二次世界大戦が終わった後の、日本の有り様や中国の共産化、冷戦など歴史で勉強をした程度なら表面上サラッと理解していましたが、なぜだかあまり知られていない台湾の戦後。
蔣介石が入ってきて、実権を握ったことは知っているが、どれほど台湾人が苦労して今現在の政治を取り戻したのかを知っている人はさほどいないのかもしれない。
強烈な弾圧と、世界最長の「戒厳令」を敷かれていたこの国の歴史は本来日本人なら絶対に避けてはいけないはず。台湾ほど親日な国は存在しないのに、なぜ日本人は台湾をきちんと知ろうとしなかったのか。それは台湾「国民党」による情報統制や言論弾圧が永らく続いていたため、知ることが出来なかった部分もあるかもしれないが。
気がついてみると、台湾が自由な国へと拓かれた時にはすでに日本人にとって台湾は「観光地」という位置づけになっているが、かつて一緒に歩んだ国としてどうして歴史教育として台湾の勉強をさせないのか、不思議でならない。
かくいう私も李登輝先生の本を買ったにも関わらず積読していたことを深く反省。
心を揺さぶる勇ましい「湯(坂井)徳章」の姿に、ただの英雄という言葉では済まない畏敬の念が込み上げてくる。少しでも多くの人に読んでほしい。