作業ヘルメッターのおんな道

肉体労働系レディ(淑女)の徒然です。フリーランスで造園土木の作業員をしています。お仕事と酒があればどこでも飛んでいきます。酒飲み。日焼け上等!

読書レビュー「北海道が危ない!」

 

積ん読が多い中、一気読みした。今、二巡目の半分くらいまで読んだ。著者は砂澤ビッキさんのご子息・砂澤陣さん。

砂澤ビッキという名前を聞けばピンとくる人はいるだろう。

ja.wikipedia.org

この本は2016年に出版されたもので、その後から急激に北海道での「アイヌ民族共生活動」が進行したのでどのような気持ちで憂いているのか、また新書が出るのならば絶対に買いたいものだ。

そもそも、本として非常に読みやすく、冒頭から衝撃的なことが書いてあるので目が離せなくなるのも魅力。そして何より、恐い。憤慨したくなるようなことがたくさんある。

アイヌ協会はアイヌ民族という先住民定義が曖昧なものに対して、差別意識を恣意的に作り出すことにより、莫大な税金を搾取している。また、そこには政治やマスコミなどが見てみないふりどころか、むしろその主張を誇張するように宣伝し、改竄された歴史を子供の教育に至るまで浸透させている。」ということだ。

内容がかなり深い。アイヌの血を引く当事者の発言というものは凄みがある。「差別」に対する考え方も普段私達が避けてきた「なんとなく関わりたくないもの」を明確にしてくれていると思う。差別に対する問題提起は、かなり納得のいくものだった。

一度目読み終えたときは「なぜこんなタイトルにしたんだろう。むしろアイヌ利権の闇、など分かりやすいタイトルにしたほうが食いつきはいいはずだが・・・」と思ったが、二度目読むと「このタイトルで良かった。アイヌ問題に関心のない人ほどこの本は読むべきだ。何気なくタイトルで買った人ほどこの内容は衝撃的だろう。」と思った。

アイヌ問題」の本質的な「問題」は、差別や民族共生の問題ではない。どこから急にこの話が強大になっていったのか経緯を知らないと語れない。世の中の「LGBT問題」「貧困女性問題」など今現在話題になっているものとは経緯が全く違うように感じるが、しかし、やり口は共通している。この「アイヌ協会」の成功例こそが現在の差別問題における公金搾取への道筋を作っているように思える。本当にその問題に直面している人のことを考えず、声高に「差別」を訴えることにより「被害者」を作り出し、人々の意識を「加害者」ポジションにすることで言い返すことが出来ない環境を作り、本来差別を受けていない人間が公金をしっかり受け取るシステム。これは全国津々浦々「差別」を訴える団体にほぼ共通しているやり口だ。きっと細かく探せばそのやり口ではない団体もあるだろうが、その人達の純粋な訴えすらもこのやり口によって同類とみなされ、かき消すくらい形式化しすぎている。

多分殆どの国民はこのシステムについて薄々勘付いてはいるだろうが、納めた税金を使われているという当事者意識が薄い。当事者意識が薄いということはただの「他人事」でしか無い。遠くでやってくれればOKてな程度だと思う。

私もその中の1人。所得が高くないので税金も高額ではない。どこで使われているかわからないけどまあ、なにか役に立つところに使われていればいいな、くらいの気持ちだった。私が嫌悪感を抱くのは金の話だけではない。改竄された歴史を無理やり押し付け、子供たちに「加害者意識」を埋め込ませる教育をしていることが許せないのだ。

ここのところの北海道における「アイヌ推し」が異様すぎる。CMもテレビの特集も新聞も町中のポスター、子供の教科書に至るまで「アイヌを意識しない人間を根絶する」と言うかのように広告宣伝活動が激しい。私が子供の頃に習った「アイヌ文化」とは全く毛色が違う。一体何がどうしてこんなことになっているのか北海道民こそ混乱していると思う。いや、時間とともに常態化することを狙っているのかもしれない。実に日本人らしいと思う。

しかし、その現状が皮肉にも「アイヌ問題」を詳しく知りたい気持ちになる。そういう人間もいる。そして、事の経緯を知ることによって驚嘆するような事実が出てくる。

その他アイヌ問題に限らず北海道における「日教組活動の歴史」「中国の侵攻」「北海道新聞の共産化」などありとあらゆる角度からどす黒い話が読めるので北海道民はもちろんのこと、道外の人にもぜひ読んでいただきたい一冊。もう一冊買って住んでいる地域の図書館に寄贈しようかなと思っている。